2018年 新茶レポート① ~4月下旬 白茶編~


~手摘み~

今年度から白茶作りに取り組むことにしました。

白茶とは中国の6大茶類に含まれるお茶です。あらゆるお茶の中で唯一『揉む』という工程が無く、『萎凋⇒乾燥』というシンプルな工程で最もナチュラルなお茶です。シンプル故に、原料の良し悪し及び、製茶技量がはっきりと出やすいと言われております。日本では知名度が低いですが、欧米では美容効果が高いことから、高級茶として人気が高いお茶です。日本では作っている人が全然いないので作ってみようと思いました。

 

白茶は芯のみを用いた『白毫銀針(はくごうぎんしん、別名:シルバーニードル)』と一芯二葉を用いた『白牡丹 (はくぼたん)』の2種類が主にあります。今回は一般的に飲みやすい白牡丹を作る事にしました。(実は、白毫銀針も少しだけ作りました)

 

まずは、原料です。

ヤブキタ実生&宇治在来種の自然仕立て園

一番茶のミル芽


一番茶の極ミル芽(すごい若い芽)を使用。手摘みだと1時間で100g~200g位しか取れません。白茶と言われるゆえんは、若いお茶の葉には毛茸(もうじ)と呼ばれる白い産毛があります。『揉む』という工程が無い為、仕上がりに毛茸が残り白く見えるので『白茶』と呼ばれます。その為、非常に若い芽を使用しないと白茶とは言い難いと思います。

 

お茶の葉は自然仕立て*のヤブキタ実生と宇治在来種から収穫します。理由は分かりませんが、『萎凋』させるお茶は経験上、実生のお茶の樹の方が向いていると思います。

 

*自然仕立て園・・・手摘みをし易い様に仕立てられた茶園。前年度の一番茶を収穫した後の6月頃に地面付近まで剪定した後、自然に任せて伸ばした茶園。剪定回数が少ない為、機械仕立て園と比較して高品質になる。

~萎凋(いちょう)~

萎凋とは、加工前の生葉を風通しの良い場所などに放置し、乾燥を進めると共にお茶の酵素の働きで微発酵を行い、味と香りを高める工程です。煎茶では一般的には行われない工程ですが、中国茶では殆どのお茶で行われる重要な工程です。単純ですが、気候や温度・湿度・日当たり等を考慮しなければいけないので、経験と技量が問われます。当園では、今まで烏龍茶や紅茶をつくってきたので、その経験を活かして取り組みました。(と言っても実はけっこう失敗しました)

 

1日目は少し日光に当ててから外の日陰に静置。2日目は状況に応じて室内にいれたり外に置いたままにします。

『静置』というのがポイントで、揺らしたりかき混ぜたりすると茶葉が傷つき、そこから酸化が進み赤く変色してきます。ですので、丁寧に茶葉を取り扱う必要があります。また、竹ザルの上に敷くのですが、この竹の素材がお茶の葉の香りと合わさって良い香気を生むと個人的には思っています。

 

※2019年6月追記:2019年度より萎凋時間を4日~5日に伸ばしました。気候によって乾燥度合も変わりますが、茶葉内の含水分量が多いと、後の火入れ工程で蒸れた様な発酵が起き、酸味を呈し茶葉が赤く変質しやすくなるためです。

 

4月下旬の和束はまだ涼しめなので、ゆっくり萎凋が進んで爽やかな花の香りがしてきます。7月にも白茶を作りましたが、その時は気温と湿度でやや発酵が進みすぎました。

萎凋中の茶葉

(左)萎凋前 (右)2日後


~乾燥~

乾燥は炭を用いた焙炉(ホイロ)にて50度~60度で1時間~2時間ほど行います。

温度に関しては好みだと思います。白茶なのでなるべくナチュラルな香味を目指して低温で乾燥を行いました。もう少し高温(80度)前後で行えば、香りや味も変わってきます。

乾燥度合いは、茎を折って確認。煎茶と同じ水分量5%位になる様に乾燥しました。

乾燥中の白茶

焙炉の中(火鉢&炭)


~仕上がり~

今回は4月20日から8日~10日ほど白茶作りを行いましたが、萎凋の失敗などがあり、満足行く出来は3日分程でした。

最後の方はやや葉も大きくなるので、やはり最初の方の小さい芽の方が仕上がりが美しいです(写真は2日目のもの)

 

テイスティングして頂いた方には軒並み好評で、最終的にはイギリスのお茶屋さんが全部購入してくれました。

(白茶は、『1年茶、3年薬、7年宝』と言われるので、ちょっと残しておけば良かったかな^_^)

来年は、今年度の経験を活かして、より失敗なく多く作れる様に致します。